「先生が宿題をさせた」「親友に手伝ってもらった」これらの文を英語で表現できますか?今回は、そんな時に役立つ使役構文と、それぞれの動詞の使い分けを徹底解説します!
この記事を読めば、使役構文の基本から応用まで、しっかりと理解することができます。一見すると難しそうに感じるかもしれませんが、ポイントを押さえれば誰でも使いこなせるようになります。さあ、使役構文をマスターして、表現力をさらに向上させましょう!
本記事では、使役構文の作り方、意味、使い方を豊富な例文とともに分かりやすく解説します。注意点や類似表現との違いにも触れていくので、ぜひ最後まで読んで、あなたの英語表現の強力な武器にしてください!
【ゼロからの文法】シリーズでは、初心者からステップアップしたい人に向け、文法を「イメージ」で自然に覚える方法を解説します。ちなみに、前回の「否定分詞構文:表現力UPのコツ」はこちら▼

【ゼロからの文法㉖】使役動詞の使い分け:完全ガイド
英語の使役構文は、誰かに何かを「させる」という行為を表す際に不可欠な文法要素です。しかし、使い分けを間違えると、意図した意味と異なるニュアンスが伝わってしまうことがあります。この記事では、使役動詞の代表であるmake、have、let、get、help の使い分けについて、徹底的に解説していきます。
まずは、それぞれの使役動詞が持つ基本的な意味とニュアンスを理解しましょう。それぞれの動詞が、どのような状況で、どのような相手に対して「させる」のかを把握することが重要です。使役動詞を適切に使い分けることで、より正確で自然な英語表現が可能になります。
Make:強制的なニュアンス
Make は、強制的に何かを「させる」というニュアンスを持つ使役動詞です。この動詞を使う場合、主語が相手に強制力を行使し、相手がそれを受け入れざるを得ない状況を表します。そのため、make を使う際は、相手との関係性や状況を考慮することが大切です。
たとえば、先生が生徒に宿題をさせる場合や、親が子供に嫌なことをさせる場合などに使われます。ただし、命令口調になる可能性があるため、ビジネスシーンなどでは注意が必要です。状況によっては、相手に不快感を与えてしまうことも考えられます。
- My teacher made me do a lot of homework.(先生は私にたくさんの宿題をさせました。)
- The boss made him work overtime.(上司は彼に残業をさせました。)
- She made her son eat vegetables.(彼女は息子に野菜を食べさせました。)
上記の例文からわかるように、make は「A make B do」の形で使われ、「A が B に~させる」という意味を表します。動詞の原形が続く点も重要なポイントです。しかしながら、make を使う際には、相手に強制するニュアンスが含まれることを覚えておきましょう。
なお、受け身の形にすると、強制的なニュアンスが和らぎます。たとえば、「I was made to clean the room.(私は部屋を掃除させられた)」のように表現することで、より客観的な状況を表すことができます。
Have:役割・責任を委ねるニュアンス
Have は、誰かに役割や責任を委ねて何かを「してもらう」というニュアンスを持つ使役動詞です。make とは異なり、強制的な意味合いは薄く、依頼や指示に近い意味合いで使用されます。そのため、ビジネスシーンやフォーマルな場面でも使いやすいのが特徴です。
たとえば、上司が部下に書類を作成させたり、顧客が業者に修理を依頼したりする場合などに適しています。have を使うことで、相手に責任を持って行動してもらうというニュアンスを伝えることができます。ただし、have は、親しい間柄では少し堅苦しい印象を与えることもあります。
- I had my secretary type the document.(私は秘書に書類をタイプしてもらいました。)
- She had the mechanic fix her car.(彼女は整備士に車を修理してもらいました。)
- We had a cleaner clean our house.(私たちは清掃業者に家を掃除してもらいました。)
上記の例文では、「A have B do」の形で使われ、「A が B に~してもらう」という意味を表しています。make と同様に、動詞の原形が続く点に注意しましょう。加えて、have は、相手に報酬を支払って何かをしてもらう場合にも使われます。覚えておくと表現の幅が広がるはずです。
なお、have は、get に置き換えることも可能です。ただし、get を使うと、よりカジュアルなニュアンスになります。状況に応じて使い分けることが大切です。状況によって最適な表現を選ぶようにしましょう。
Let:許可を与えるニュアンス
Let は、誰かが何かをすることを「許可する」というニュアンスを持つ使役動詞です。make や have とは異なり、相手の自由意志を尊重し、行動を許可するという意味合いで使用されます。そのため、許可や容認を表す場合に適しています。
たとえば、親が子供に遊びに行くことを許可したり、先生が生徒に休憩を許可したりする場合に使われます。let を使うことで、相手の自主性を尊重する姿勢を示すことができます。相手に自由を与えるようなイメージです。
- My parents let me go to the party.(両親は私がパーティーに行くことを許してくれました。)
- The teacher let us use our smartphones.(先生は私たちがスマホを使うことを許可してくれました。)
- I let my dog sleep in my room.(私は犬を部屋で寝かせてあげました。)
上記の例文では、「A let B do」の形で使われ、「A が B に~することを許可する」という意味を表しています。make や have と同様に、動詞の原形が続く点に注意しましょう。また、let は、相手に何かをすることを許可する場合だけでなく、自分自身が何かをすることを許可する場合にも使われます。
なお、let は、allow に置き換えることも可能です。しかしながら、allow を使うと、よりフォーマルなニュアンスになります。親しい間柄では、let を使う方が自然です。状況に合わせて使い分けてみましょう。適切な表現を選ぶことで、よりスムーズなコミュニケーションにつながります。
Get:説得して行動させるニュアンス
Get は、誰かを説得したり、働きかけたりして何かを「させる」というニュアンスを持つ使役動詞です。make のように強制的な意味合いはなく、have のように依頼する意味合いとも異なります。get は、相手を説得して自発的な行動を促すイメージです。
たとえば、子供に勉強するように促したり、友人に手伝いを頼んだりする場合に使われます。get を使うことで、相手との友好的な関係を保ちながら、目的を達成することができます。ただし、get は、フォーマルな場面では、ややカジュアルな印象を与えることがあります。
- I got my son to clean his room.(私は息子を説得して部屋を掃除させました。)
- She got her friend to help her with the project.(彼女は友達に頼んでプロジェクトを手伝ってもらいました。)
- We got the audience to clap their hands.(私たちは観客に拍手をさせました。)
上記の例文では、「A get B to do」の形で使われ、「A が B を説得して~させる」という意味を表しています。make、have、let とは異なり、to 不定詞が続く点が大きな特徴です。このtoの存在が説得して~させるというニュアンスを表しています。
加えて、get は、have の代わりに使うこともできます。しかしながら、get を使うと、よりカジュアルなニュアンスになります。ビジネスシーンでは、have を使う方が無難でしょう。状況に応じた使い分けを意識しましょう。
Help:手助けをするニュアンス
Help は、誰かが何かをすることを「手伝う」というニュアンスを持つ使役動詞です。make、have、let、get とは異なり、相手の行動をサポートするという意味合いで使用されます。そのため、相手との協力関係を表す場合に適しています。
たとえば、友人が宿題をするのを手伝ったり、同僚が仕事をするのを手伝ったりする場合に使われます。help を使うことで、相手との良好な関係を築きながら、共同で作業を進めることができます。相手をサポートするようなイメージです。
- I helped my friend with his homework.(私は友達の宿題を手伝いました。)
- She helped her mother cook dinner.(彼女は母親の夕食作りを手伝いました。)
- He helped me carry my luggage.(彼は私の荷物を運ぶのを手伝ってくれました。)
上記の例文では、「A help B (to) do」の形で使われ、「A が B の~するのを手伝う」という意味を表しています。to は省略されることもあります。状況に合わせて使い分けるようにしましょう。to がある方が、若干丁寧なニュアンスになります。
また、help は、with を使って、手伝う内容を具体的に示すこともできます。たとえば、「I helped my friend with his homework.(私は友達の宿題を手伝いました)」のように表現することで、より詳細な情報を伝えることができます。具体的な内容を示すことで、より親切な印象を与えることもできます。
練習問題:使役動詞を使い分けよう!
最後に、練習問題に挑戦してみましょう。以下の日本語の文を、適切な使役動詞を使って英語に翻訳してみてください。それぞれの状況に最も適した動詞を選ぶことがポイントです。腕試しをしてみてください。
- 先生は私たちにたくさんの宿題をさせました。(強制的なニュアンス)
- 私は秘書に書類をタイプしてもらいました。(依頼のニュアンス)
- 両親は私がパーティーに行くことを許してくれました。(許可のニュアンス)
- 私は息子を説得して部屋を掃除させました。(説得のニュアンス)
- 彼女は私の宿題を手伝ってくれました。(手助けのニュアンス)
解答例:
- The teacher made us do a lot of homework.
- I had my secretary type the document.
- My parents let me go to the party.
- I got my son to clean his room.
- She helped me with my homework.
使役動詞の使い分けをマスターして、表現力をレベルアップ!
今回は、使役動詞 make、have、let、get、help の使い分けについて詳しく解説しました。使役動詞を適切に使い分けることで、より正確で自然な英語表現が可能になります。ぜひ、使役動詞をマスターして、あなたの英語表現をさらにレベルアップさせてください!
次回の【ゼロからの文法】もお楽しみに!
文法をさらに深く理解するには、文法の参考書を活用するのがおすすめです!
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