フォニックスに意味はない?
「フォニックスを学んだけど、リスニングができるようにならない…」
「単語の発音はわかるけど、ネイティブの会話が聞き取れない…」
こんな悩みを持つ人は多いかもしれません。実際に「フォニックスは意味がない」「ネイティブはフォニックスなんて使わない」という意見もあります。
しかし、それは本当でしょうか?
この記事では、フォニックスの 効果と限界 を整理し、どうすればフォニックスを有効活用できるのか を詳しく解説します。
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フォニックスの本当の役割とは?
フォニックスは 「英語の文字と発音のルールを学ぶための方法」 です。
英語圏の子どもが読み書きを学ぶときに使われ、「見たことのない単語でも発音できるようになる」 ことが目的です。
フォニックスの主なメリット
つまり、フォニックスは 「発音の基礎作り」 においては大きな意味を持つのです。
しかし、それだけで「英語が聞き取れる」「スムーズに話せる」ようになるわけではありません。
これが「フォニックスに意味がない」と言われる理由の一つです。
フォニックスだけでは足りない理由
フォニックスには多くのメリットがありますが、それだけでは 「英語を自然に使えるようになる」ためには不十分 です。その理由を詳しく見ていきましょう。
① フォニックスは「ルール」だが、英語の発音は「例外」が多い
フォニックスには多くのルールがありますが、英語の発音には 例外が非常に多い です。
📌 例外的な単語の例
- though(スー) → 「th」は /ð/ の音になるが、語尾の「ough」はフォニックスでは説明しづらい
- colonel(カーネル) → スペルと発音が全く一致しない
- Wednesday(ウェンズデーではなくウェンズディ) → 音が消える
フォニックスは「基本ルール」ですが、英語は例外が多い言語 なので、ルールだけを覚えてもすべての単語に対応できるわけではありません。
② フォニックスは「単語単位」だが、ネイティブの英語は「フレーズ単位」
フォニックスは 「単語ごとの発音ルール」 を学ぶものですが、ネイティブの英語は 「フレーズ単位」で発音が変化 します。
📌 例:ネイティブの話し方の変化
- What do you want? → 「ワダヤワン?」
- Did you eat? → 「ディジュイート?」
- I don’t know → 「アイ・ドゥン・ノウ」→ 「アィ・ドゥノウ」
このような「音のつながり(リエゾン)」は、フォニックスだけでは学べません。
そのため、フォニックスを知っていても リスニングができない という問題が起こるのです。
③ フォニックスでは「リズム」「イントネーション」が学べない
英語は 音のリズムや強弱 も非常に重要です。
📌 フォニックスにはない発音の要素
- 強勢(ストレス) → どの部分を強く読むか?
- リズム → 英語独特の「強弱のパターン」
- イントネーション → 質問や感情による抑揚の違い
例えば、「I didn’t say you stole my money.」という文は、どこを強調するかによって意味が変わります!
- 「I didn’t SAY you stole my money.」 → 言ったとは言っていない
- 「I didn’t say YOU stole my money.」 → あなたが盗んだとは言っていない
このような ニュアンスの違い は、フォニックスでは学べません。
フォニックスを効果的に使う方法
「じゃあフォニックスは意味がないの?」と思うかもしれませんが、それは違います。
フォニックスは 正しく使えば非常に役に立つ のです。
📌 フォニックスを最大限に活用する方法
- 単語の発音を覚えるときに使う(フォニックスで発音の基本を身につける)
- 例外的な発音は個別に覚える(though, colonel など)
- フレーズ単位で音の変化を学ぶ(リエゾンやリズムを意識する)
- シャドーイングで実際の話し方を身につける(発音練習だけでなく、イントネーションやリズムも意識)
フォニックスは「基礎」だが、それだけでは足りない!
✅ フォニックスは発音の基本を学ぶのに役立つ!
✅ でも、英語の発音には例外が多く、フォニックスだけでは対応できない!
✅ フォニックスを補完するために、リエゾン・リズム・イントネーションも学ぶべき!
フォニックスを「万能な発音法」と誤解すると、「意味がない」と感じてしまうことがあります。
しかし、フォニックスは 正しく使えば「英語の発音の土台」として非常に有効 です。
フォニックスを活用しながら、実際の会話の中で英語をどんどん使っていきましょう!
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