英語を学び続け、いよいよ通訳者としての道を歩み始めた時期の話です。ここでは、通訳学校での厳しい訓練や、初めての通訳の仕事、壁にぶつかった経験とその乗り越え方について紹介します。

通訳学校での学習:ISSインスティテュートでの挑戦
私はISSインスティテュートに入学し、最初のレベルチェックを受けた結果、一番下の通訳準備科クラスに決定しました。驚きはありませんでした。なぜなら、このクラスですら、英語の目安が「TOEIC900以上程度」だったからです。
クラスメイトには、帰国子女、防衛省の職員、すでに英語を仕事にしている人など、実力者が揃っていました。
ISSには全8レベル(通訳準備科、本科1~3、プロ通訳養成科1~3、同時通訳科)があり、本科に進む頃には英語を仕事にする人が増え、プロ通訳養成科まで進むと社内通訳などをしている人が多くなります。私はプロ通訳養成科1まで進み、その後通訳学校生活を終えました。
この間の学習は非常に厳しいものでした。
- 毎週の単語テスト:通訳者の「聖書」とも言われる『トレンド日米表現辞典』からの出題。毎週500〜1000単語を暗記する必要がありました。
- 通訳トピックの復習と予習:例えば、次回のテーマが「環境」なら、その分野の知識を徹底的に学ぶ必要がありました。
- 学習時間の確保:私は毎朝3時起きで勉強し、出社前の時間を最大限活用しました。影響を受けた本は、通訳者の枝廣淳子さんの『朝2時起きで、なんでもできる』。この本のおかげで早朝学習の習慣が定着しました。
トレンド日米表現辞典についての記事はこちらから

朝2時起きで、なんでもできるについての記事はこちらから

通訳デビュー:初めての仕事
通訳デビューは公共施設での通訳担当でした。1年間、以下の業務を担当しました。
- 地域の外国人のサポート
- 国際交流イベントの運営
- 海外からのVIP対応(市長や来賓の通訳)
特に、市長の通訳を担当したときは緊張しました。しかし、通訳学校で学んだ「自信がなくても、自信があるように振る舞う」というスキルを活かし、大きな問題なくこなすことができました。
壁にぶつかった経験とその乗り越え方
通訳を始めると、すぐに自分の限界を痛感しました。
- 専門知識の不足:政治、経済、医療など、幅広い分野に対応する必要があった。
- スピードと正確性のプレッシャー:通訳は瞬時に正確な訳を出さなければならない。
この壁を乗り越えるために、
- 毎日ニュースを英語で聞く習慣をつけた(BBC、CNNなど)
- 専門分野ごとの用語集を作成し、徹底的に暗記
- ロールプレイで実践的なトレーニングを繰り返した
結果として、少しずつ自信を持てるようになり、対応できる範囲が広がっていきました。
英語を仕事にすることで得たこと
通訳を仕事にすることで、
- 常に学び続ける姿勢が身についた:語学だけでなく、時事問題や専門分野の知識も求められる。
- コミュニケーション能力が飛躍的に向上した:単に言葉を訳すだけでなく、話し手の意図を正しく伝えるスキルが必要。
- 人とのつながりが増えた:多様なバックグラウンドを持つ人たちと仕事をすることで、新たな視点を得ることができた。
まとめ:上級者を目指す人へ
中級者から上級者へステップアップするためには、
- 実践の場を増やす:仕事やボランティアで実際に通訳・翻訳を経験する。
- 専門知識を身につける:自分の得意分野を作り、知識を深める。
- 常に学び続ける姿勢を持つ:ニュースや書籍を活用し、語彙力と知識をアップデートする。
英語を仕事にすることは大変ですが、その分得られるものも大きいです。学び続けることで、さらなる成長ができるはずです。
次回の記事では、さらに実務の現場での経験や、上級者としての心得についてお話しします!


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