「英語学習はもう意味ない」と言う話を耳にしたことがありますか？今回は、英語が出来る意味について考えてみようと思います。
特に最近は、DeepL、ChatGPTなど、さまざまな便利ツールがあります。以前より簡単に翻訳や多言語による表現ができるようになってきました。このように技術が進歩している昨今において、「英語が出来る意味」も変わりつつあります。
そもそも、英語が出来ると何が良いのでしょうか。皆さんは英語を身につけた先で何をしたいですか？
実は、英語学習の挫折の大きな原因の一つは、英語が出来る意味について浅く、「なぜ英語を学ぶのか」という理由が弱いからだと私は思っています。本記事では、多くの人が抱く英語学習の目的を掘り下げ、英語が出来るという意味や、その裏にある本当の動機やモチベーションを一緒に見つけていきたいと思います。
「英語が出来る」という意味
そもそも、「英語が出来る」ってどういう意味でしょうか？
- 外国人と話せるようになる
- 英語の本を読めるようになる
- ハリウッド映画を字幕なしで見れるようになる
- 世界を舞台に仕事！
- 英語ができたらかっこいい！
などでしょうか？
あなたにとって、英語は本当に必要ですか？
もしあなたが、上記のような理由だけで英語を学ぼうと思っているなら、英語学習はやめた方が良いかもしれません。だって、よく考えてください。
あなたの理由、弱くないですか？
「英語が出来る」という意味をもう一しっかりと考えてみてください。
「英語が出来る」意味 一問一答
外国人と話せるようになりたい
確かに英語が話せたら良いですけど、最近の技術の進歩はすごいです。翻訳だけで無く通訳だってAIでできる時代。多少のタイムラグはありますが、外国人とのコミュニケーションなんていくらでも取れます。そもそも英語だけ話せても、英語圏の人としか話せないですけど、それがあなたがやりたいことですか？
英語の本を読めるようになりたい
オリジナル言語で本を読みたい理由はなんですか？こちらも今や機械がやってくれます。私はかつて翻訳者として働いていたこともありましたが、今やDEEPL翻訳などを使えば、よほど複雑な内容でなければプロの翻訳者とほぼ遜色ない翻訳を一瞬でしてくれますよ。
ハリウッド映画を字幕なしで観れるようになりたい
映画好きの方なら、これはわからなくはないです。好きな俳優さんの生の声で映画を観れば臨場感も増しますよね。ただ、意味がわかる程度なら、字幕だって吹き替えだってあります。上記の理由だけで本当に今から何千時間、何万時間も英語に費やす覚悟はありますか？
世界を舞台に仕事！
世界を舞台に仕事、できたら素晴らしいですよね。ただ、これって具体的にどういうことですか？アスリートとして、アーティストとして、世界で活躍することですか？グローバル企業に入ってアメリカの取引先との商談をまとめることでしょうか？確かに、英語ができた方が良いですが、ココで重要なのはあなたの専門性ではないでしょうか？英語学習する時間があるなら専門性を磨いた方がよほど有意義ですよ。
英語ができたらかっこいい！
できないよりできた方がかっこいいですよね。ここでは、「どこまで英語ができたらかっこいいか」を考えてみてください。少なくとも私の場合、英語ペラペラな自分を想像します。ただ、英語がペラペラになるというのはめちゃくちゃ大変ですよ。あなたがどれだけ優秀でも、平均的な日本人の英語レベルなのであれば、数年間毎日勉強したりする努力が必要でしょう。カッコよくなりたいだけなら、筋トレをした方が、より短い期間・努力で実現できると思います。
それではもう一度聞きます。あなたにとって英語は本当に必要ですか？
ここまでを読んで、「その通りだな」と思った方。英語はキッパリ諦めてもっと自分のためになることに進んだ方が良いかもしれません。
逆に、「いやいや、私はカナダが大好きで将来カナダに住むのが夢だから、絶対に英語を習得するんだ！」というように反論できた方は、ぜひその熱い想いを忘れず、そのまま進んでください。その想いこそがあなたの中の「英語が出来る」ということに対する意味であり、あなたが英語を学ぶ「理由」そのものです。
英語を学ぶ理由6選｜あなたの目標を見つけよう
さて、ここまでかなり厳しめの書き方をしてきましたが、それでも英語に憧れがある！やりたい！という方もいるかと思います。その場合は、あなたなりの「英語に懸ける理由」を探すことが何よりも大切です。ここからは英語を学ぶ理由につながるポジティブなことを、私の経験も紹介しながら言語化していきたいと思います。
1. 世界で活躍したい
先ほどは専門性の方が大事、と言いました。それは紛れもない事実ですが、それでも、「英語力」が、あなたが世界で活躍するキッカケになったり、「英語力の差」によって、あなたが周りの競争相手よりも一歩前に出ることも事実です。
私の経験
私の場合はちょっと違うパターンかもしれませんが、似たような経験があります。
通訳者として働けるようになってしばらくしたとき、私はあるITプロジェクトに参画していました。そこで私が任されたのは、日本人のSME (Subject matter expert:簡単に言うとある領域におけるベテランさんの事を言います)とインド人の開発者の間に入って、システム機能のこと、業務要件のことなどを通訳することでした。
最初は通訳ばかりやっていましたが、日本人のSMEがあまりの業務の忙しさにプロジェクト対応が滞るようになり、急遽私が直接システムのテストをやることに。開発者に教えてもらいながら徐々にシステムについて学んでいきました。
もともと昔からゲーム好き、新しいモノ好きな私は、あまり難しいとも思わずんに、テストをひたすら続けていきました。
この様子を見ていた当時のプロジェクトリーダーが、私を通訳ではなく、クライアント側のテストメンバーの一人にならないかとご提案いただきました。二つ返事でOKを出した私はその後専門性を高め、世界を舞台にIT業界で働く人材になっていきました。
2. 英語ができるとかっこいい
これも先ほど、かっこよく見られたいだけなら筋トレやった方が良いのでは、というような意見をお伝えしました。ですが、日本人で英語を話せるという状態性は、洗練された印象を相手に(少なくとも対日本人では)与えることができることは間違いないです。
私の経験
英語を学んでいくと色んな人と出会います。私は語学学校に通っていた時のオーストラリア人の先生と、学校が終わってからも親しい友人として付き合っていました。
ある時、久しぶりに一緒に飲みに行くことになり、友人が良く行く地元のバーに行きました。そこで楽しく話をしていると、そのバーにたまたま、その友人の知り合いの女性2人入ってきました。
実は、その時出会った女性の一人がいまでは私の妻です。
直接的な理由ではありませんが、私が友人と英語で会話をしていたのを聞いて、ちょっとはプラスに働いたのではないかな、と思っています。
3. 優越感に浸りたい
英語力は自己肯定感を高める要素になります。これは日本人だから、かもしれません。日本では英語を話せる人がまだ少数派であり、このスキルを持つことが、直接特別感や優越感につながります。ただ単にTOEICのスコアが高いことで周囲から一目置かれたり、社内での評価が上がったりするケースだってあります。あなたがもし今、「私は何も持っていない」、「自信がない」ということで悩んでいるなら、英語を学ぶことで絶対に自信を持てるようになります。
私の経験
私はあまり自分のことを自慢したりすることが好きではありません。どちらかというと目立ちたくないと思っている側の人間です。それでも周りからは「英語ができる人」と見られています。周知されていることで、周りからも英語で困った時などは私の名前があがり、頼りにされます。また、通訳や翻訳を介さず英語を理解できることで、周りの人よりもワンテンポ理解が速くなり、反応のスピードに差が出てきます。ちょっとしたことですが、これが毎日続くとやはり自然と自信が持てるようになります。
4. 海外の友達が欲しい
やはり通訳や翻訳を介さずコミュニケーションが取れると、それだけ相手と仲良くなるチャンスが増えると思います。
海外の友達ができると、文化の違いを学びながらさらに成長することができますし、人生がより彩豊かになるのではないかと思います。
私の経験
先ほども書きましたが、私はとても仲の良いオーストラリア出身の友人がいます。また、留学中に仲良くなったブラジル人、韓国人、オランダ人などなど、これまでいろいろな国の方と友人になりました。人の性格は千差万別と言いますが、やはりナショナリティというものはあるもので、ブラジル人のフレンドリーさには驚かされましたし、韓国人の辛ラーメン好きにも苦笑いしました。
私も辛ラーメンは大好きですが、レベルが違いました。なにせ、オーストラリアのグレートオーシャンロードのバスツアーで、ランチ用にわざわざ辛ラーメン持参してましたから。。ツアー中の知らない町の知らないレストランで、食事することもなく、お湯だけをもらいに行くあの精神力は言葉にできないほどのカルチャーショックを受けたものです。
5. 海外のコンテンツが好き
こちらも、先ほどのネガティブな意見を棚に上げて書きますが、英語を学ぶと、海外コンテンツをより深く楽しめます。洋画や音楽、書籍など、英語で触れると作品の本来の魅力が伝わります。表現やニュアンスをそのまま理解することで、細部にわたる繊細な感情や状況などがわかりますし、新しい文化に直に触れる感覚が味わえるようになります。
私の経験
私は音楽が好きで、ロックやポップス好きです。ビートルズ、クラプトン、レッチリなどなど…彼らは当然ながら英語で歌います。歌詞ももちろん翻訳すれば意味はわかりますが、深い意味までは汲み取れないことが多いんですよね。英語のまま理解すると、彼らの伝えたいことがダイレクトに耳に流れてくるようで、より近い距離で音楽を楽しめている感覚になります。
6. 海外旅行で楽しみたい
英語が話せれば、海外旅行がもっと楽しくなります。現地の人との会話やスムーズな移動など、旅行中の体験が大きく広がります。レストランで自分の好みを伝えたり、現地の人におすすめの場所を聞いたりすることで、旅行の楽しみが倍増します。英語が旅の自由度を大幅に高めてくれます。
私の経験
私は海外旅行が大好きで、よほどのことがない限り（昨年は息子の高校受験のため断念しました）は、年に1回はどこかに旅行します。何年か前にクロアチアに行きましたが、節約のため、ホテルではなく民宿(向こうではソーべといって、メジャーな宿泊手段の一つなのですが)に泊まったんです。
ところで、皆さんはいわゆる「民泊」をしたことあるでしょうか？
民泊って、多くの場合、受付があるわけでは無く、宿泊施設の公共部分や周辺などに鍵が保管されていて、オーナーから鍵の在処を教えてもらって自分で取りに行くことが多いんです。
鍵を落としてパニック！
クロアチアの時も多分に漏れず受付などはなく、アパートメントの郵便受けに備え付けられた小さな暗証番号ロック付きのボックスに入っていました。オーナーに事前に教えてもらっていた暗証番号を入力して、無事鍵を受け取ったのですが、片方の手に荷物をもっていたので、ボックスを閉めるために鍵をとっさに郵便受けの上に置いて閉めようとしたところ…
ガタッ
と音がして、鍵が郵便受けの中へ。。建物の中がかなり暗くて良く見えていなかったのですが、実は郵便受けの上部は大きめの穴だらけのデザインで、その穴に鍵がスポッと入ってしまったのです。。郵便受けはカギがかかっており、開けることもできませんでした。
かなりパニックになりかけながらも、私はオーナーに直接電話し事情を説明しました。状況を理解してくれたオーナーは、10分後にはスペアの鍵を持って現れてくれました。
楽しんだ経験ではありませんが、もし英語が使えなかったらと思うとゾッとする経験でした。
英語学習の理由を明見つける手助けとなり、効率的にスキルを伸ばすことができます。例えば、旅行で使いたいのか、仕事でのキャリアアップを目指しているのかによって、取り組むべき内容や重点が変わってきます。
ここまできたらあと少し！目標に期日を入れよう！
あなたの中で英語が出来る意味、絶対に達成したい理由・目標ができたら、次は、その目標に向かって、「いつ」、「なに」をするのかを決めていきましょう。
まずは大日程を決めよう
あなたの最終的な目標が何であれ、やることはたくさんある思います。
ここでは、最終目標のために必要であろうステップを大きく3〜5ステップくらいにわけていきます。
例えばあなたの目標が、「英語でキャリアアップすること」で、そのために資格を取ろうとするのなら、以下のようなステップが考えられます。
- TOEIC600点突破
- TOEIC700点突破
- TOEIC800点突破
- TOEIC900点突破
- 英検1級合格
ここではわかりやすくTOEICで統一しましたが、ご自身の考える大日程計画を立てることが重要です。
そしてこれに日付を入れていきます。例えば、TOEIC600点突破は20xx年xx月、などと具体的な日付を設定していきます。
次は中日程・小日程を決めよう
ここからは、大日程をどんどん細分化していきます。どこまで細分化するかというと、一つ一つのアクションになるまでです。
例えば、先ほどのTOEIC600点突破を細分化すると、まず中日程は、
- TOEIC頻出単語・基礎文法を覚える
- リスニングを強化する
- 長文読解力を強化する
のような感じです。コレの一つ一つに対して今度は小日程計画をたてていきます。例えば上記1だったら、
- 参考書「中学英文法をもう一度ひとつひとつわかりやすく。」を使って一日4ページ学習
- TOEIC文法問題 でる1000問で1日20語覚える
などです。これにも一つ一つ日程を入れていきます。
これで準備は完了！あとはやるだけ！
これであなたの英語が出来る意味、理由、最終目標、中間目標が全て決まり、そのためにやらなければいけないことが明確になりました。もうあとは難しく考えないで良いです。
「ただ、やる。」
これに尽きます。黙々と計画を遂行していくと、自然と英語力がついてくるはずです。
理由と目標を明確にすることで、英語学習がより意味のあるものになり、成果を実感しやすくなります。
英語学習を継続するためのTips
計画をしっかり立て学習をしても、時には休みたい、と思うこともあるでしょう。ここでは、普段の英語学習のうえで心掛けて欲しいことをいくつか書いていきたいと思います。
つまらない行為を継続する工夫をしよう
学習行為を楽しめる方はいると思いますが、多くの方が、学習はつまらないもの、と感じていると思います。私もその一人です。
例えば英単語の暗記なんて、新しい単語を頭の中に定着させるまで、繰り返し繰り返し記憶していかなければなりません。覚えたと思っても次の日には忘れて、また覚えて…やはり大変ですよね。
でも、しょうがないんです。つまらないものはつまらない。でも、やるしかないんです。だってあなたがなりたい将来の自分は、それを乗り越えた人だから。つまらないことでも、やった先にしかあなたが望むあなたはいません。
どうやってつまらないことを継続するか
私のおすすめは、ズバリ、朝活です。
しかも、起きた直後。朝ごはんを食べたり顔を洗ったりするよりも前にやることをお勧めします。なんなら寝ぼけながらでも構いません。
朝起きた時の自分が一番フレッシュで、脳みそもスムーズに働きます。これをシステム化することで、面倒だな、と思うよりも前につまらないことを済ませてしまおう、という魂胆です。
私にはこの方法がとてもあっていて、通訳の訓練をしていた時は毎朝3時に起きて勉強していました。自分のための時間を思いっきり使えるので大変お勧めです。詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ。
学習で楽しめることを増やそう
つまらないことをやることを克服すると同時に大事なのが、楽しみを見つけることです
英語学習の楽しみ方は人それぞれですが、例えばこんなことです。
- 好きな洋楽を聞く
- 好きな洋画を見る
- 英会話学校で楽しく会話
- オンラインゲームで海外のプレーヤーと英語でチャットしてみる
私の場合は、英会話学校で会話ができるようになった時に「英語って楽しい！」と思えるようになりました。英語話者の友人ができると、一緒に食事に行ったり遊びに行ったりするだけでも英語が使えるし学べるのでお勧めです。
おわりに
英語を学ぶ理由はさまざまですが、英語が出来るという意味が何なのかを考え、自分の目標や動機を明確にして、自分にとって「本当に必要」と確信することが成功の鍵だと思います。世界で活躍したい、優越感を感じたい、海外の友達を作りたいなど、どんな理由であれ、英語学習を始めることで新しい世界は間違いなく広がります。ぜひこの機会に自分と向き合い、どんな自分になりたいかを明確にして、楽しみながら学習を進めてみてください！
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